第一種衛生管理者 過去問サンプル

実際の試験ではこういう問題が出題されます。 公表問題5問を解説つきで全文公開しています。(2026年公表)

これは閲覧用のサンプルです。正解と解説を最初から表示しています。1問ずつ解いて採点する演習機能はアプリで提供しています。

1

関係法令

産業医に関する次の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。ただし、産業医の選任の特例はないものとする。

産業医の選任は、選任すべき事由が発生した日から14日以内に行わなければならない。
常時使用する労働者数が2,000人を超える事業場では、産業医を2人以上選任しなければならない。正解
産業医が、事業者から、毎月1回以上、所定の情報の提供を受けている場合であって、事業者の同意を得ているときは、産業医の作業場等の巡視の頻度を、毎月1回以上から2か月に1回以上にすることができる。
事業者は、産業医から労働者の健康管理等について勧告を受けたときは、当該勧告の内容及び当該勧告を踏まえて講じた措置の内容(措置を講じない場合にあっては、その旨及びその理由)を記録し、これを3年間保存しなければならない。
事業者は、産業医が辞任したとき又は産業医を解任したときは、遅滞なく、その旨及びその理由を衛生委員会又は安全衛生委員会に報告しなければならない。
解説

産業医を2人以上選任しなければならないのは、常時使用する労働者数が「3,000人を超える」事業場である(労働安全衛生規則第13条第1項第4号)。「2,000人を超える」ではないため(2)が誤り。なお、常時1,000人以上の労働者を使用する事業場、または一定の有害業務に常時500人以上従事させる事業場では、専属の産業医を選任する必要がある点と混同しないこと。 その他の選択肢はいずれも正しい。(1)選任事由発生から14日以内の選任義務(安衛則第13条)、(3)情報提供を月1回以上受け事業者の同意があれば巡視を2か月に1回以上に緩和可(安衛則第15条)、(4)勧告内容等の記録3年保存(安衛則第14条の3)、(5)産業医の辞任・解任時は遅滞なく衛生委員会等へ報告(安衛則第13条第4項)。「人数要件(50人・500人・1,000人・3,000人)」を整理して覚えるのが攻略の鍵。

2

関係法令

特定化学物質の第一類物質に関する次の記述のうち、法令上、正しいものはどれか。ただし、特定化学物質障害予防規則に定める適用除外はないものとする。

第一類物質は、「クロム酸及びその塩」を始めとする7種の発がん性の認められた化学物質並びにそれらを一定量以上含有する混合物である。
第一類物質を製造しようとする者は、あらかじめ、物質ごとに、かつ、当該物質を製造するプラントごとに厚生労働大臣の許可を受けなければならない。正解
第一類物質を容器に入れ、容器から取り出し、又は反応槽等へ投入する作業を行うときは、発散源を密閉する設備、外付け式フードの局所排気装置又はプッシュプル型換気装置を設けなければならない。
第一類物質を取り扱う屋内作業場についての作業環境測定結果及びその評価の記録を保存すべき期間は、3年である。
第一類物質を取り扱う業務に常時従事する労働者に係る特定化学物質健康診断個人票を保存すべき期間は、全ての第一類物質について30年である。
解説

第一類物質は労働安全衛生法第56条に基づく製造許可物質であり、製造しようとする者は物質ごと・製造プラントごとに厚生労働大臣の許可を受ける必要があるため(2)が正しい。 (1)は誤り。第一類物質は「ジクロルベンジジン及びその塩」など7物質およびそれらを重量1%超(一部0.5%超)含有する混合物で、「クロム酸及びその塩」は第二類物質である。(3)は誤り。第一類物質の取扱い作業では原則「密閉設備」「囲い式フードの局所排気装置」が必要で、外付け式フードやプッシュプル型は認められない(特化則第2条の2関連)。(4)は誤り。第一類物質を含む特別管理物質の作業環境測定記録の保存期間は30年である(特化則第36条)。(5)も誤り。健康診断個人票の保存は原則5年だが、特別管理物質に該当するものは30年であり、すべての第一類物質が30年ではない。 要点:第一類=製造許可、特別管理物質関連記録は30年保存。

3

労働衛生

温熱条件に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

温度感覚を左右する環境要素は、気温、湿度、気流及びふく射(放射)熱である。
実効温度は、人の温熱感に基礎を置いた指標で、気温、湿度及び気流の総合効果を温度目盛りで表したものである。
相対湿度は、空気中の水蒸気量と、その温度における飽和水蒸気量との比を百分率で示したものである。
WBGTは、自然湿球温度、黒球温度及び気温(乾球温度)から求められる指標で、暑熱環境による熱ストレス評価に用いられる。
算出したWBGTの値が、作業内容に応じて設定されたWBGT基準値未満である場合には、熱中症が発生するリスクが高まる。正解
解説

WBGT(湿球黒球温度)は暑熱環境下での熱ストレス評価指標であり、算出値がWBGT基準値を「超えた」場合に熱中症発生リスクが高まるとされる。基準値「未満」であればリスクは低く抑えられるため、(5)の記述は逆であり誤り。 他の選択肢について、(1)温熱の4要素(気温・湿度・気流・ふく射熱)は基本知識として頻出。(2)実効温度(ET)は気温・湿度・気流の総合効果を温度目盛りで示す指標で、ふく射熱は含まない点に注意。(3)相対湿度の定義は正しい。(4)WBGTは屋外(日射あり)では「0.7×自然湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度」、屋内では乾球温度を用いず「0.7×自然湿球温度+0.3×黒球温度」で算出される。基準値との大小関係とリスクの方向性を正しく押さえることが類題攻略の鍵となる。

4

労働衛生

有機溶剤に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

有機溶剤は、一般に揮発性が高く、その蒸気は空気より軽い。
有機溶剤は、脂溶性が低いため、脂肪の多い脳などには入りにくい。
メタノールによる障害として顕著なものには、網膜の微細動脈瘤を伴う脳血管障害がある。
二硫化炭素は、精神障害や意識障害を起こすことがある。正解
N,N-ジメチルホルムアミドによる障害として顕著なものには、視力低下を伴う視神経障害がある。
解説

二硫化炭素はビスコースレーヨン製造などに用いられ、中枢神経系に強く作用するため、精神障害(躁うつ状態など)や意識障害、さらに網膜細動脈瘤を伴う脳血管障害を引き起こすことが知られており、(4)は正しい。 (1)誤り。有機溶剤の蒸気は一般に空気より「重い」ため、低所に滞留しやすく、局所排気装置の吸込口も下方に設ける必要がある。(2)誤り。有機溶剤は脂溶性が「高く」、脂質に富む脳や神経系に侵入しやすいことが中毒の原因となる。(3)誤り。網膜細動脈瘤を伴う脳血管障害は「二硫化炭素」の特徴的障害であり、メタノールでは視神経障害による視力低下・失明が顕著。(5)誤り。N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)は「肝障害」が代表的で、視神経障害はメタノールの症状。 各溶剤と特徴的障害(メタノール=視神経、二硫化炭素=精神・脳血管、DMF=肝障害、ノルマルヘキサン=末梢神経障害)をセットで覚えるのが攻略の鍵。

5

労働生理

神経系に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

神経細胞の細胞体が集合しているところを、中枢神経系では神経節といい、し ょ う末梢神経系では神経核という。正解
中枢神経系は、脳と脊髄から成る。
有髄神経線維は、無髄神経線維よりも神経伝導速度が速い。
交感神経と副交感神経は、同一器官に分布していても、その作用はほぼ正反対である。
大脳の外側の皮質は、感覚、思考などの作用を支配する中枢として機能する。
解説

(1)は中枢神経系と末梢神経系の説明が逆である。神経細胞の細胞体が集合している部位は、中枢神経系では「神経核」、末梢神経系では「神経節」と呼ぶ。用語の定義が入れ替わっているため誤り。 他の選択肢は正しい。(2)中枢神経系が脳と脊髄から構成されるのは基本事項。(3)有髄神経線維は跳躍伝導により無髄神経線維よりも伝導速度が速い。(4)交感神経と副交感神経は拮抗的に作用し、同一器官に対しほぼ正反対の働きを示す(例:心拍数の促進と抑制)。(5)大脳皮質は感覚・思考・運動などの高次機能を司る中枢である。 要点整理:①「神経核=中枢」「神経節=末梢」とセットで暗記、②有髄線維=跳躍伝導で高速、③自律神経の二重支配と拮抗作用、④大脳皮質の機能局在を押さえておくこと。

出典

本サイトで掲載する過去問題は、公益財団法人 安全衛生技術試験協会公表試験問題を出典としています。問題文は原文のまま掲載し、解説は当サイトが独自に作成しています。