第二種衛生管理者の出題範囲と頻出テーマ
第二種衛生管理者の試験は、関係法令・労働衛生・労働生理の3科目から各10問ずつ、合計30問・300点で構成されます。出題範囲は広く見えますが、頻出テーマは毎回似た顔ぶれです。この記事では、科目ごとの配点と問われ方、繰り返し出るテーマ、そして「足切り(各科目40%未満)」を避けるための優先順位を整理します。直前期の総点検にも使える内容です。
第二種衛生管理者の試験科目と配点
まず全体像を押さえます。第二種衛生管理者は、有害業務と関連の少ない業種(情報通信業、金融・保険業、卸売・小売業など)で衛生管理者になれる国家資格です。試験は公益財団法人 安全衛生技術試験協会が実施しており、5肢択一のマークシート方式、試験時間は3時間です。
| 科目 | 出題数 | 配点 | |------|--------|------| | 関係法令(有害業務に係るものを除く) | 10問 | 100点 | | 労働衛生(有害業務に係るものを除く) | 10問 | 100点 | | 労働生理 | 10問 | 100点 | | 合計 | 30問 | 300点 |
合格基準は「各科目40%以上、かつ合計60%以上(180点以上)」です。つまり1科目でも4問未満しか取れないと不合格になるため、苦手科目を作らない学習が重要になります。
近年の合格率はおおむね50%前後で推移しており、2024年度(令和6年度)は受験者39,262人・合格者19,546人・合格率49.8%でした。半数が落ちる試験ですが、頻出論点を取り切れば十分合格圏に入ります。
試験日程や受験資格の詳細は第二種衛生管理者の試験情報トップも参考にしてください。
関係法令(有害業務に係るものを除く)の頻出テーマ
関係法令は条文ベースの暗記科目で、衛生管理者試験の中で最も「数字」と「人数要件」が問われる科目です。出題テーマはほぼ固定されています。
安全衛生管理体制
最頻出は事業場の規模に応じた管理体制です。
- 総括安全衛生管理者:選任が必要な業種と労働者数の区分
- 衛生管理者:50人以上の事業場で選任、規模に応じた人数
- 産業医:50人以上で選任、1,000人以上(または一定の有害業務500人以上)で専属
- 衛生委員会:50人以上の事業場で設置、構成員のルール
「○○人以上の事業場で△名以上」という数字は毎回問われます。一覧表で覚えるのが効率的です。
一般健康診断
雇入れ時健康診断、定期健康診断の項目、医師の意見聴取、結果の通知・記録保存、ストレスチェック制度(50人以上の事業場で年1回)など。省略可能な項目の条件はひっかけとして頻出です。
労働基準法関連
労働時間・休憩・休日、年次有給休暇の付与日数、妊産婦の就業制限、年少者の保護規定など。特に有給休暇の比例付与日数表は出題されやすいテーマです。
事務所衛生基準規則・労働安全衛生規則
気積、換気、照度、便所の設置基準、休養室、給水・排水など、職場環境に関する基準値が問われます。具体的な数値は第二種衛生管理者でよく出る法令・数値まとめで整理しているので、直前期はそちらで一気に確認すると効率的です。
労働衛生(有害業務に係るものを除く)の頻出テーマ
労働衛生は、職場環境管理・作業管理・健康管理の3管理を軸に、現代的な健康課題まで幅広く出題されます。第二種は有害業務を除くため、化学物質や粉じんの細かい話は出ません。代わりに「オフィス環境」「メンタルヘルス」「生活習慣病」関連が中心です。
作業環境要素と温熱条件
- 温度・湿度・気流・ふく射熱の組み合わせ
- WBGT(暑熱環境の評価指標)の考え方
- 必要換気量の計算(CO₂濃度をもとにした算定)
- 採光・照明の基本(全般照明と局部照明の比率など)
換気量の計算は公式を覚えれば確実に1問取れる狙い目です。
食中毒
細菌性(感染型・毒素型)、ウイルス性(ノロウイルス)、自然毒、化学性の分類と代表的な原因菌・特徴は鉄板テーマです。サルモネラ、腸炎ビブリオ、黄色ブドウ球菌、ボツリヌス、ノロウイルスは個別の特徴まで押さえましょう。
メンタルヘルスケア・健康保持増進
- 4つのケア(セルフケア/ラインによるケア/事業場内産業保健スタッフによるケア/事業場外資源によるケア)
- ストレスチェックの実施手順とその後の流れ
- THP(トータル・ヘルスプロモーション・プラン)
- 受動喫煙対策
救急処置
一次救命処置の流れ(意識確認→119→胸骨圧迫→AED)、出血の種類と止血法、骨折の応急処置、熱中症の分類と対応、窒息時の対応など。手順と数値(胸骨圧迫の深さ・テンポなど)が問われます。
情報機器作業のガイドライン
ディスプレイの照度、連続作業時間と休憩、作業姿勢など、オフィスワーカー向けの内容で、第二種では特に問われやすいテーマです。
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労働生理の頻出テーマ
労働生理は人体の仕組みを問う科目で、暗記中心ながら一度理解すると安定して得点できる「貯金科目」です。出題テーマは毎年ほぼ同じ範囲から繰り返されます。
循環器系・血液
- 心臓の構造、体循環と肺循環、自律神経による拍動調節
- 血液成分(赤血球・白血球・血小板・血漿)の役割
- 血液型、凝固と凝集の違い、ヘマトクリット値
呼吸器系
外呼吸と内呼吸の違い、呼吸中枢、呼吸数の調節(動脈血中のCO₂濃度が刺激)など。
消化器系・代謝
- 三大栄養素の消化酵素と分解産物
- 肝臓の機能(代謝、解毒、胆汁生成、血糖調節)
- 基礎代謝とエネルギー代謝率(RMR)
神経系
中枢神経と末梢神経、交感神経と副交感神経の働きの違い、神経細胞の構造。「交感神経=活動的に働く」「副交感神経=休息」という対比はストレートに問われます。
感覚器・内分泌・腎臓
- 視覚(明順応・暗順応)、聴覚(平衡感覚との関係)
- 主要ホルモンと分泌器官・作用の組み合わせ
- 腎臓の構造、糸球体での濾過、尿の生成
筋肉・体温調節・ストレス・睡眠
筋収縮の種類(等尺性・等張性)、ATP、疲労、体温調節のしくみ、睡眠(レム睡眠・ノンレム睡眠)など。ホルモン名と作用の対応表は毎回必ず1〜2問は出るので、表で丸暗記が早道です。
科目ごとの戦略と直前期の優先順位
3科目とも40%(=4問)の足切りがあるため、「得意科目で稼ぐ」より「苦手科目で4点割れを起こさない」発想が大切です。
- 労働生理から固める:範囲が狭く出題が安定。最初に8割を目指す。
- 関係法令の数字を表で叩き込む:選任要件・健診・有給など、数字勝負の領域は得点源にしやすい。
- 労働衛生は時事+定番:メンタルヘルス、食中毒、救急処置、換気量計算は確実に。
過去問演習の比重については第二種衛生管理者は過去問だけで合格できる?で詳しく触れています。学習計画の立て方は第二種衛生管理者の勉強法【独学で合格する手順】が参考になります。
※2026年5月時点の情報です。最新は安全衛生技術試験協会の公式案内をご確認ください。
アプリで効率よく学習する
頻出テーマは限られているとはいえ、3科目30問を本番で取り切るには、手を動かして問題に慣れることが欠かせません。机に向かう時間が取れない日でも、スマホで数問だけでも回す習慣をつけると、合格までの距離が一気に縮まります。
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本サイトで掲載する過去問題は、公益財団法人 安全衛生技術試験協会の公表試験問題を出典としています。解説は当サイトが独自に作成しています。