第一種と第二種衛生管理者の違い|どちらを受けるべき?
衛生管理者には「第一種」と「第二種」があり、どちらを受けるかで対応できる職場の範囲が変わります。結論を先に言えば、製造業・建設業・医療業など有害業務を含む業種をカバーしたいなら第一種、それ以外のオフィスワーク中心の業種で十分なら第二種です。本記事では、衛生管理者の一種と二種の違いを、業種・試験科目・難易度・合格率まで具体的に比較し、自分にとってどっちが正解かを判断できる材料を整理します。
衛生管理者 一種 二種 違いの全体像
第一種衛生管理者は「すべての業種」の衛生管理者として選任できる上位資格です。一方の第二種は、有害業務を含まない業種(金融業、卸売・小売業、情報通信業、サービス業など、いわゆるオフィス系)に限定されます。
第二種では選任できず、第一種が必要になる代表的な業種は次のとおりです。
- 製造業(食品・化学・金属など)
- 建設業
- 運送業
- 医療業
- 清掃業
- 農林水産業 など
これらは粉じん、有機溶剤、有害光線、感染症、騒音など「有害業務」が発生しうる業種で、衛生管理者にも有害業務に関する知識が求められます。だからこそ第一種の試験範囲には「有害業務に係るもの」が含まれているわけです。
なお、第一種は第二種の業務範囲を完全に包含するため、勤務先や転職先の業種が変わっても対応できるという意味では、第一種を取っておいたほうがつぶしが効きます。
試験科目・問題数の比較
衛生管理者 一種 二種 比較で最も重要なのは、試験科目の差です。どちらも科目は3つですが、第一種には「有害業務に係るもの」が加わります。
第一種の試験科目(合計44問・400点)
- 関係法令(有害業務に係るものを含む) … 17問・80点
- うち有害業務に係るもの 10問=80点、有害業務以外 7問=70点
- 労働衛生(有害業務に係るものを含む) … 17問・80点
- うち有害業務に係るもの 10問=80点、有害業務以外 7問=70点
- 労働生理 … 10問・100点
「有害業務に係るもの」の方が1問あたりの配点が高めに設定されている点が特徴です。細かい配点の最新情報は安全衛生技術試験協会の公式案内で、試験種別ごとの位置づけは同協会の試験案内ページで確認してください。
第二種の試験科目
第二種は「有害業務に係るもの」が出題されません。関係法令と労働衛生は有害業務以外のみが範囲となり、労働生理は第一種と共通です。同じ「衛生管理者試験」でも、第二種は学習範囲が明確に狭くなります。
共通する形式
- 出題形式:5肢択一(マークシート)
- 試験時間:3時間(通常 13:30〜16:30。船員法の衛生管理者など科目免除がある人は短縮)
- 合格基準:各科目(範囲)ごとに40%以上、かつ合計60%以上
- 試験会場:全国7か所の安全衛生技術センターで毎月複数回実施。出張特別試験(都道府県で年1〜2回程度)もあり
合格基準は、第一種の場合「関係法令(有害)」「関係法令(有害以外)」「労働衛生(有害)」「労働衛生(有害以外)」「労働生理」の各得点が40%以上、かつ合計60%以上、という整理が一般的です。足切りの単位は変更されることもあり、最新は公式で要確認です。
難易度・合格率の違い
範囲が広いぶん第一種のほうがやや難しく、合格率も低めです。
- 第一種:合格率はおおむね45%前後で推移。2024年度(令和6年度)は受験者64,911人・合格者30,081人・合格率46.3%。
- 第二種:近年は50%前後で、第一種より数ポイント高い傾向。
ただし、第一種の合格率は「有害業務の専門知識を学んだ受験者」の数字であって、特別に難関というわけではありません。出題は5肢択一で、過去問の焼き直しに近い問題が多く、正面から対策すれば十分合格圏に届きます。詳しくは 第一種衛生管理者の合格率と難易度【最新】 で年度別の数字をまとめています。
学習量の目安としては、第一種で100〜150時間、第二種で70〜100時間程度が一つの目安です(社会人で実務経験がある人の場合)。
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第一種 第二種 どっち?判断基準
迷ったら、次の3点で判断すると整理しやすくなります。
1. 勤務先(または希望転職先)の業種
- 製造業・建設業・運送業・医療業・清掃業・農林水産業 → 第一種が必要
- 金融、IT、卸売・小売、サービスなどオフィス系のみで完結 → 第二種でも可
人事や安全衛生担当に「自社の業種で必要な区分」を確認するのが確実です。
2. キャリアの汎用性
- 将来、製造業や医療業など別業種への異動・転職もありうる → 第一種
- 現職に長く留まる予定で、業種が固定 → 第二種でも十分
第一種は第二種の業務範囲を完全に包含するため、迷ったら第一種、というのは合理的な選択です。
3. 学習時間の余裕
- 平日に1時間+休日にまとまった時間を確保できる → 第一種推奨
- 学習時間が限られる、まずは確実に1つ取りたい → 第二種から、という選び方もあり
なお、第二種に合格していても第一種の科目免除は基本的になく、第二種から第一種に「切り替える」専用区分もありません。第一種を取りたい場合は、改めて第一種の試験を受験することになります(免除に関する細かい運用は公式で要確認)。最初から第一種で目指す方が、結果的に学習効率は良いケースが多いです。
第一種で取得すると何ができるのか、選任義務の実務面については 第一種衛生管理者とは?仕事内容と取得メリット も参考にしてください。
学習戦略:第一種を狙う場合のポイント
第一種を目指すなら、衛生管理者 一種 二種 比較の観点から、次の順序が効率的です。
- 労働生理から着手:両資格共通の範囲で、暗記中心。最初の得点源にしやすい。
- 「有害業務以外」の関係法令・労働衛生:第二種と同じ土台部分。ここを固めると基礎点が安定する。
- 「有害業務に係るもの」を上乗せ:有機溶剤・特定化学物質・粉じん・電離放射線などの基準値、局所排気装置、健康診断項目、化学物質のリスクアセスメントが頻出テーマ。
- 直近数年の公表問題を反復:5肢択一は同じテーマが角度を変えて繰り返し出るため、過去問演習が最も投資対効果が高い。
具体的な学習スケジュールの組み立て方は 第一種衛生管理者の勉強法【独学で合格する手順】 でも解説しています。試験情報全般は 第一種衛生管理者の試験情報トップ からまとめてチェックできます。
なお、受験には学歴と労働衛生の実務経験(例:大学・短大・高専卒+1年以上、高校卒+3年以上、学歴不問+10年以上 など)が必要です。第二種と共通ですが、自分が該当するかは事前に公式の受験資格欄で確認してください。
※2026年5月時点の情報です。最新は安全衛生技術試験協会の公式案内をご確認ください。
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第一種と第二種は出題範囲が重なる部分も多く、過去問ベースの演習がそのまま得点力に直結します。通勤・休憩のスキマ時間で「有害業務」分野を回すだけでも、本試験での取りこぼしを大きく減らせます。
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