第一種第一種衛生管理者 関係法令

第一種衛生管理者「関係法令(有害)」攻略法

公開 2026-06-06

第一種衛生管理者の関係法令は、衛生管理者・産業医などの体制を問う「有害業務以外」7問と、第一種固有の「有害業務に係るもの」10問に分かれます。後者は範囲が広く見えて敬遠されがちですが、出題テーマは毎回ほぼ同じ枠組みから出ます。本記事では、安全衛生管理体制・譲渡制限・作業主任者・特別教育・作業環境測定・特殊健診・各特別規則という頻出ブロックを、暗記の勘所とセットで体系的に整理します。

関係法令(有害)はなぜ「捨てられない」のか

第一種衛生管理者の関係法令は17問。そのうち「有害業務に係るもの」が10問、「有害業務以外」が7問という構成が一般的です。合格には合計60%以上に加え、各範囲で40%以上が必要とされる整理が一般的で、有害10問で4問を割ると足切りになり得ます。正確な配点・足切り単位は安全衛生技術試験協会の公式案内で必ず確認してください。

有害業務の関係法令は、条文の細かい文言よりも「制度の枠組み」を問う問題が中心です。次の7ブロックを縦に整理すれば、過去問の大半はカバーできます。

  1. 安全衛生管理体制(誰を何人選任するか)
  2. 機械等の譲渡制限・型式検定
  3. 作業主任者の選任
  4. 特別教育
  5. 作業環境測定
  6. 特殊健康診断・健康管理手帳
  7. 各特別規則(有機則・特化則ほか)の主要規定

関連:第一種衛生管理者の出題範囲と頻出テーマ / よく出る数値・暗記ポイントまとめ

安全衛生管理体制と譲渡制限・型式検定

安全衛生管理体制(選任の数字)

体制の論点は「規模(労働者数)・業種ごとに誰の選任が義務か」を表で押さえます。

| 役割 | 選任が必要な規模 | |---|---| | 衛生管理者 | 業種を問わず常時50人以上 | | 産業医 | 業種を問わず常時50人以上 | | 総括安全衛生管理者 | 製造業・建設業など一定業種で常時100人以上(その他の業種は1000人以上 等、業種で基準が異なる) |

衛生管理者の選任義務は労働安全衛生法(e-Gov 法令検索)第12条に規定されています。有害業務分野では、一定の有害業務に常時従事する規模では衛生工学衛生管理者の選任が必要になる、専属・専任の要件が加わる、といったひっかけが定番です。「専属」(その事業場に属する)と「専任」(その業務に専念)の違いも頻出なので区別して覚えます。

譲渡等の制限・型式検定

危険・有害な機械等は、規格・安全装置を備えなければ譲渡・貸与・設置ができません(譲渡等の制限)。さらに一部は型式検定の対象になります。

  • 譲渡制限の例:防じんマスク・防毒マスク、再圧室、潜水器、特定の局所排気装置 など
  • 対象でないもの」を選ばせる出題が多い(例:工業用ゴム手袋、化学防護服などは検定対象外という整理が問われやすい)

数値より「リストに入る/入らない」の判別が勝負なので、対象外の典型例もセットで覚えるのが効率的です。

作業主任者・特別教育の区別が最頻出

ここは関係法令(有害)の核心で、ほぼ毎回出ます。両者は似て非なる制度です。

| 比較項目 | 作業主任者 | 特別教育 | |---|---|---| | 性格 | 有資格者から選任して指揮監督させる | 業務に就かせる前に事業者が行う教育 | | 資格 | 技能講習修了 または 免許 | 講習・教育の修了(検定なし) | | 問われ方 | 「選任が必要な作業はどれか」 | 「特別教育の対象業務はどれか」 |

作業主任者の選任が必要な作業

  • 有機溶剤作業主任者、特定化学物質作業主任者
  • 鉛作業主任者、石綿作業主任者
  • 高圧室内作業主任者、酸素欠乏危険作業主任者 など

選任が不要な作業を選ばせるひっかけが定番です。「強烈な騒音を発する屋内作業」や「レーザー光線業務」などには作業主任者の選任義務がない、という論点が繰り返し出ます。

特別教育を必要とする業務

チェーンソーによる立木の伐木作業、エックス線・ガンマ線装置を用いる透過写真撮影業務、特定粉じん作業、廃棄物焼却施設に係る作業などが典型です。逆に「特別教育の対象でない業務」(有機溶剤業務などは原則対象外)も合わせて押さえます。

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作業環境測定・特殊健診・健康管理手帳

作業環境測定

特定の作業場では定期的な作業環境測定が義務付けられます。頻度は対象により異なりますが、6か月以内ごとに1回が多くを占めます。

  • 有機溶剤(第1種・第2種)、特定化学物質(第1類・第2類)、鉛:6か月以内ごとに1回
  • 粉じん(特定粉じん作業):6か月以内ごとに1回
  • 測定結果や評価の記録は保存義務あり(特別管理物質は後述のとおり長期保存)

A測定・B測定、第一〜第三管理区分の意味と、第三管理区分になった場合の措置は労働衛生側でも問われる横断論点です。

特殊健康診断

有害業務に常時従事する労働者には特殊健診が必要で、原則6か月以内ごとに1回が基本線です。

  • 対象:有機溶剤、鉛、四アルキル鉛、特定化学物質、高気圧、電離放射線、石綿、じん肺 など
  • 電離放射線・じん肺は別ルール(じん肺健診は管理区分で頻度が変わる)

健康管理手帳

がん等の遅発性疾病リスクの高い業務に一定期間従事した人には、離職時等に健康管理手帳が交付されます。ベンジジン、ベータ-ナフチルアミン、ベリリウム、石綿、塩化ビニルなどが交付対象業務として頻出です。

数値・周期の横断整理はよく出る数値・暗記ポイントまとめも参照してください。

各特別規則(有機則・特化則ほか)の頻出論点

特別規則は8本まとめて出ます。「規則名 → 対象 → 必要な設備 → 測定/健診頻度 → 記録保存」の順で横並びにすると整理しやすくなります。

有機溶剤中毒予防規則(有機則)

  • 第1種(赤)・第2種(黄)・第3種(青)の区分表示
  • 屋内作業の発散源対策は、原則として密閉設備・局所排気装置・プッシュプル型換気装置のいずれか
  • 作業環境測定は6か月以内ごとに1回(第1種・第2種)

特定化学物質障害予防規則(特化則)

  • 第1類(製造許可物質)、第2類(発がん性等)、第3類(大量漏えい防止)に区分
  • 特別管理物質は、作業の記録・特殊健診結果・作業環境測定結果を30年間保存
  • 第1類・第2類は局所排気装置等の設置義務

粉じん障害防止規則(粉じん則)

  • 特定粉じん発生源には局所排気装置・湿潤化等の措置
  • じん肺健診は管理区分により頻度が変わる(管理2・3は1年以内ごと 等)

鉛中毒予防規則(鉛則)/ 石綿障害予防規則(石綿則)

  • 鉛則:鉛業務の換気・作業環境測定・鉛健診
  • 石綿則:作業の記録・健診結果の長期保存、隔離・湿潤化、レベル区分に応じた措置

電離放射線障害防止規則(電離則)

  • 管理区域は、外部放射線の実効線量が3か月で1.3ミリシーベルトを超えるおそれのある区域(標識・立入制限)
  • 管理区域内の放射線業務従事者には線量測定義務

高気圧作業安全衛生規則(高圧則)/ 酸素欠乏症等防止規則(酸欠則)

  • 高圧則:高圧室内作業・潜水業務の加減圧基準、再圧室
  • 酸欠則:酸素濃度18%未満が酸欠の定義。第二種酸欠危険作業は硫化水素濃度100万分の10(10ppm)も基準。換気・測定・空気呼吸器等の備付け

化学物質規制は近年改正が続いています。条番号・周期・保存年数で不確実な点は、安全衛生技術試験協会の公式案内や厚生労働省・e-Gov で最新条文を確認してください。

※2026年6月時点の情報です。

暗記を効率化する5つの勘所

  1. 選任の数字(衛生管理者・産業医=50人、衛生工学衛生管理者の要件)を体制図で固める
  2. 作業主任者(選任) と 特別教育(教育) を「該当する/しない」リストで区別する
  3. 譲渡制限・型式検定・製造許可・健康管理手帳 の対象/対象外を集中して潰す
  4. 測定6か月・特殊健診6か月・特別管理物質30年・管理区域3か月1.3mSv の代表値だけ確実に
  5. 8本の特別規則を「対象 → 設備 → 頻度 → 保存」の比較表に落とす

合格率は近年おおむね45%前後で、2024年度(令和6年度)は受験者64,911人・合格者30,081人・合格率46.3%でした。有害業務の関係法令は枠組みさえ掴めば短期間で得点源にできる範囲です。

過去問の使い方は有害業務の頻出ポイント総まとめで、出題範囲全体は第一種衛生管理者の出題範囲と頻出テーマで詳しく解説しています。

よくある質問

関係法令(有害)は何問出ますか?

第一種衛生管理者では、関係法令17問のうち「有害業務に係るもの」が10問、「有害業務以外」が7問という構成が一般的です。有害10問で40%(4問)を割ると足切りで不合格になり得るため、捨てられない範囲です。正確な配点・足切り単位は安全衛生技術試験協会の公式案内で確認してください。

作業主任者と特別教育の違いは何ですか?

作業主任者は技能講習修了者や免許所持者から「選任」して現場の指揮監督を担わせる仕組みで、特別教育は危険・有害業務に労働者を就かせる前に事業者が行う「教育」です。試験では『この作業に作業主任者の選任が必要か』『この業務は特別教育の対象か』を問う形でほぼ毎回出ます。

特別規則の数値はどこまで覚えればよいですか?

作業環境測定の頻度(多くが6か月以内ごとに1回)、特殊健診の頻度(原則6か月以内ごと)、特別管理物質の記録30年保存、電離放射線の管理区域(3か月で1.3ミリシーベルト)など、繰り返し問われる代表値に絞れば十分です。細かい条番号の暗記より『どの規則の・何の数値か』の対応を固めるのが効率的です。

条文や数値が改正されていないか心配です。

化学物質規制は近年改正が続いているため、不安な論点は安全衛生技術試験協会の公式案内や厚生労働省・e-Gov 法令検索で最新条文を確認してください。本記事は2026年6月時点の情報を基にしています。

アプリで効率よく学習する

関係法令(有害)は「同じ枠組みのひっかけが少し形を変えて繰り返し出る」典型分野です。表でテーマを整理したら、あとは過去問演習で『該当する/しない』の判断を体に染み込ませるのが近道です。

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出典

本サイトで掲載する過去問題は、公益財団法人 安全衛生技術試験協会公表試験問題を出典としています。解説は当サイトが独自に作成しています。