第一種第一種衛生管理者 計算問題

第一種衛生管理者の計算問題の解き方

公開 2026-06-06

第一種衛生管理者の試験では、知識を問う五肢択一の中に必ずといってよいほど計算問題が混ざります。計算問題は「公式を覚えているか」だけで正誤が決まるため、暗記が苦手でも確実に1点を取りにいける、最もコスパの高い問題です。本記事では、必要換気量・気積・BMI・メッツ・休業度数率・強度率・濃度換算・騒音の対数という頻出タイプを、公式 → 例題 → 解法ステップの順で整理します。式はそのまま試験で使える形で示しているので、直前確認にも使ってください。

計算問題で押さえるべき頻出8タイプ

第一種衛生管理者で出る計算問題は、ほぼ次の範囲に収まります。

| タイプ | 主に出る科目 | 覚える公式の数 | |---|---|---| | 必要換気量(CO₂基準) | 労働衛生(有害以外) | 1 | | 気積 | 労働衛生(有害以外) | 1 | | BMI | 労働生理・労働衛生 | 1 | | メッツ/エネルギー代謝 | 労働生理 | 1 | | 休業度数率・強度率 | 労働衛生(有害以外) | 2 | | ppm⇔mg/m³換算 | 労働衛生(有害) | 1 | | 騒音(デシベルの対数) | 労働衛生(有害) | 考え方のみ |

いずれも公式は1つか2つだけです。出題範囲の全体像は第一種衛生管理者の出題範囲と頻出テーマ、暗記すべき固定数値は第一種衛生管理者でよく出る数値まとめにまとめています。

必要換気量(CO₂基準)の計算

最頻出の計算問題です。室内の二酸化炭素濃度を許容値以下に保つために、毎時どれだけの新鮮空気を入れ替える必要があるかを求めます。

公式:

必要換気量(m³/h)= 在室者の1時間あたりのCO₂呼出量(m³/h)÷(室内CO₂許容濃度 − 外気CO₂濃度)

濃度は割合(または小数)に揃えるのが鉄則です。よく使う基準値は以下のとおりです。

  • 室内CO₂許容濃度:0.1%(=1000ppm=0.001)
  • 外気CO₂濃度:0.03〜0.04%(=300〜400ppm)(問題文の指定に従う)

例題: 在室者5人、1人あたりのCO₂呼出量が0.02m³/h、室内許容濃度0.1%、外気濃度0.04%のとき、必要換気量はいくらか。

解法ステップ:

  1. 在室者全員のCO₂呼出量を求める:0.02 × 5 = 0.1 m³/h
  2. 濃度を小数に直して差を取る:0.001 − 0.0004 = 0.0006
  3. 公式に代入:0.1 ÷ 0.0006 = 約167 m³/h

ポイントは、呼出量と濃度の単位を必ず揃えること。呼出量がL表示(例:20L/h)なら m³ に直し(0.02m³/h)、濃度が%表示なら小数に直してから割ります。

気積の計算

気積は、労働者1人あたりに確保すべき室内の空間容積を問う問題で、必要換気量とセットで出ることがあります。

公式:

1人あたりの気積(m³)=(部屋の容積 − 設備等の容積)÷ 在室労働者数

労働安全衛生規則では、屋内作業場の気積を、設備の占める容積および床面から4mを超える高さの空間を除き、労働者1人について10m³以上とすることが定められています。

例題: 床面積60m²・高さ4mの作業室に設備が20m³あり、労働者を6人就業させる場合、1人あたりの気積は規定を満たすか。

解法ステップ:

  1. 室の容積:60 × 4 = 240 m³
  2. 設備分を引く:240 − 20 = 220 m³
  3. 人数で割る:220 ÷ 6 = 約36.7 m³ → 10m³以上なので規定を満たす

BMIの計算

労働生理・労働衛生のどちらでも問われます。

公式:

BMI = 体重(kg)÷ 身長(m)²

身長をメートルで扱う点に注意してください(cmのままだと桁を間違えます)。

例題: 身長175cm、体重70kgのBMIは。

解法ステップ:

  1. 身長をmに直す:175cm = 1.75m
  2. 2乗する:1.75 × 1.75 = 3.0625
  3. 体重を割る:70 ÷ 3.0625 = 約22.9

日本肥満学会の基準では18.5以上25未満が「普通体重」なので、22.9は普通体重に該当します。

メッツ/エネルギー代謝の計算

メッツ(METs)は、安静時を1とした身体活動の強度の倍数です。エネルギー消費量を概算する考え方を押さえます。

考え方:

エネルギー消費量(kcal)≒ 1.05 × メッツ × 時間(h)× 体重(kg)

例題: 体重60kgの人が4メッツの運動を30分行ったときのおおよそのエネルギー消費量は。

解法ステップ:

  1. 時間をhに直す:30分 = 0.5h
  2. 代入:1.05 × 4 × 0.5 × 60 = 126 kcal

メッツは数値の意味(安静=1、歩行=3前後など)を問う知識問題として出ることも多いので、計算と用語の両面で確認しておきましょう。

休業度数率・強度率の計算

労働災害の発生頻度と重さを表す指標で、混同しやすいので公式と「掛ける数」をセットで覚えます。

公式:

  • 度数率 = 労働災害による死傷者数 ÷ 延べ実労働時間数 × 1,000,000
  • 強度率 = 延べ労働損失日数 ÷ 延べ実労働時間数 × 1,000

度数率は「100万延べ実労働時間あたりの死傷者数」、強度率は「1000延べ実労働時間あたりの労働損失日数」です。掛ける数(100万と1000)を逆にするミスが最頻出なので、ここだけは確実に区別してください。

例題1(度数率): 延べ実労働時間1,500,000時間で死傷者が3人のとき。

3 ÷ 1,500,000 × 1,000,000 = 2.0

例題2(強度率): 延べ実労働時間300,000時間で労働損失日数が90日のとき。

90 ÷ 300,000 × 1,000 = 0.3

なお病休度数率・病休強度率も同じ形(疾病休業件数・日数を使い、それぞれ100万・1000を掛ける)で求められます。

ppm⇔mg/m³の濃度換算

有害業務の範囲で出る単位換算です。気体の体積濃度(ppm)と質量濃度(mg/m³)を変換します。

公式:

  • mg/m³ = ppm × 分子量 ÷ モル体積
  • ppm = mg/m³ × モル体積 ÷ 分子量

モル体積は問題文で与えられます。25℃・1気圧では約24.45L、0℃・1気圧では約22.4Lです。どちらを使うかは問題文の温度・圧力指定に従ってください。

例題: 25℃・1気圧(1molの気体=24.45L)で、トルエン(分子量92)50ppmは何mg/m³か。

解法ステップ:

  1. 公式に代入:50 × 92 ÷ 24.45
  2. 計算:4600 ÷ 24.45 = 約188 mg/m³

逆向き(mg/m³→ppm)を問われたら、掛ける数と割る数を入れ替えるだけです。

騒音(デシベル)の対数の考え方

騒音レベルの足し算は単純な加算ではなく、対数(常用対数)に基づきます。試験では細かい対数計算より「考え方」が問われます。

押さえるポイント:

  • 同じ大きさの音源が2つ重なると約3dB増える(2倍 → +3dB)
  • 音の強さが10倍になると10dB増える
  • 値の大きい音源が支配的で、差が10dB以上あると小さい方はほぼ無視できる

例題: 80dBの騒音源が2つ同時に作用すると、合成騒音レベルはおよそ何dBか。

同じ大きさの音が2つ重なるので、80 + 3 = 約83dB。単純に160dBにはならない点が引っかけです。

計算問題を確実に得点にするコツ

最後に、本番で計算問題を取りこぼさないための要点を整理します。

  1. 単位を最初に揃える — L↔m³、cm↔m、%↔小数。多くのミスはここで起きます。
  2. 掛ける数を暗記する — 度数率=100万、強度率=1000、換気量は濃度差で割る。
  3. 公式は手で書いて覚える — 必要換気量・度数率・強度率・BMI・濃度換算の5つを最優先で。
  4. 過去問で同型を反復する — 数字が変わるだけで構造は同じです。

公式を覚えたら、あとは過去問で同じ型を繰り返し解いて手を慣らすのが最短ルートです。学習の進め方全体は第一種衛生管理者の勉強法【独学で合格する手順】で詳しく解説しています。

※2026年6月時点の情報です。公式の数値基準や合格基準の最新情報は公益財団法人 安全衛生技術試験協会の公式案内をご確認ください。

よくある質問

Q. 第一種衛生管理者の計算問題は何問出ますか?

出題数は回によって異なりますが、労働衛生(有害業務に係るもの以外)を中心に、必要換気量・度数率・強度率・濃度換算などの計算問題が1問前後出る前提で準備するのが安全です。公式さえ覚えれば確実に得点でき、合格基準60%の底上げに直結します。

Q. 計算問題は捨ててもいいですか?

おすすめしません。第一種衛生管理者は各範囲40%以上・合計60%以上が合格基準で、計算問題は公式の暗記だけで確実に1点取れる「コスパの高い問題」です。必要換気量と度数率・強度率の公式だけでも覚えておくと安心です。

Q. ppm⇔mg/m³換算で使う数値はどれですか?

問題文に「25℃・1気圧では1molの気体が24.45L」のように気体のモル体積が示されるのが通例です。指定された数値をそのまま使い、mg/m³ = ppm × 分子量 ÷ モル体積、で計算します。条件が0℃なら22.4Lを使うため、問題文の温度・圧力を必ず確認してください。

アプリで計算問題を反復する

計算問題は型が決まっているので、過去問で同じ形を繰り返し解けば確実に得点源になります。通勤中や昼休みのスキマ時間に、スマホアプリで何度も手を動かしてみてください。

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出典

本サイトで掲載する過去問題は、公益財団法人 安全衛生技術試験協会公表試験問題を出典としています。解説は当サイトが独自に作成しています。